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倉田 有司; 内海 宏和*
Acta Metallurgica Sinica (English Letters), 11(6), p.397 - 404, 1998/12
Ni-18.5Cr合金の正常型クリープ曲線及びNi-18.5Cr-16W合金の3次クリープ支配型クリープ曲線に対して、次のようなクリープ構成式の適用性を検討した。(1)修正法、(2)修正法、(3)投影法、(4)3次クリープのみの2法、(5)法。この研究で新しく提案したのは、(1)、(2)及び(4)である。(1)では1次クリープを指数項、3次クリープを対数項で表し、(2)ではクリープ曲線を2つの対数項の和で表している。修正法、修正法、投影法では正常型及び3次クリープ支配型のクリープ曲線を記述できた。また、900CのNi-18.5Cr-16W合金のクリープ曲線は、2法及び法によっても記述された。修正法及び修正法は、破断までのクリープ曲線や破断寿命をより精度よくかつ保守的に予測できるため、定荷重クリープ曲線に対しては、この2つの方法の適用性が高い。
倉田 有司; 内海 宏和*
JAERI-Research 98-027, 45 Pages, 1998/05
高温ガス炉用に開発されたNi-22Cr-18Fe-9Mo合金の固溶化熱処理材、熱時効材について800及び1000Cの定荷重クリープ試験を実施し、得られたクリープ曲線に対して投影法の適用性を調べ、以下の結果を得た。(1)800Cのクリープ曲線は3次クリープ主体の曲線である。(2)固溶化熱処理材の1000Cのクリープ曲線は、初期に低いクリープ速度の領域を持つ不規則な形状の曲線である。この低いクリープ速度の領域は熱時効によって消失し、熱時効材の1000Cのクリープ曲線は正常型となる。(3)正常型のクリープ曲線は4つのを用いる投影法によって近似でき、パラメータの応力依存性が数式化される。(4)3次クリープ支配型の他の結果に対し、4つのを用いる投影法をそのまま適用することはできない。これに対し、3次クリープ項のみの投影法を適用することにより、クリープ曲線の近似が行える。
倉田 有司; 内海 宏和*
日本金属学会誌, 62(5), p.420 - 426, 1998/00
Ni-22Cr-18Fe-9Mo合金の固溶化熱処理材、熱時効材の800及び1000Cの定荷重クリープ曲線に対して、投影法の適用性を調べ、以下の結果を得た。(1)正常型のクリープ曲線を示した熱時効材の1000Cの試験結果は、4つのを用いる投影法によってクリープ曲線の近似がなされ、パラメータの応力依存性を簡単な式で表すことができる。(2)3次クリープがほとんどを占める他の条件の試験結果に対し、4つのを用いる投影法をそのまま適用することはできない。2つのを用いた3次クリープ項のみの投影法の適用を検討し、その方法によりクリープ曲線の近似が行えることを示した。(3)クリープ曲線形状に応じて、2つのあるいは4つのを用いて投影法を適用することにより、の応力あるいは温度依存性を数式化し、クリープ破断時間の予測が行えることを示した。
倉田 有司; 内海 宏和*
日本金属学会誌, 62(5), p.413 - 419, 1998/00
高温ガス炉の中間熱交換器用に開発されたNi-22Cr-18Fe-9Mo合金のクリープ曲線形状の変化を調べ、以下の結果を得た。(1)この合金の800Cにおけるクリープ曲線は、固溶化熱処理材、熱時効材ともわずかに1次クリープが認められる場合もあるが、加速クリープ域がそのほとんどを占める3次クリープ主体のクリープ曲線である。(2)固溶化熱処理材の1000Cにおけるクリープ曲線は、初期に低いクリープ速度の領域を持ち、その後、定常、加速クリープ域のある不規則な形状をしている。この低いクリープ速度の領域は熱時効によって消失し、正常型のクリープ曲線となる。(3)1000Cでの熱時効により、800及び1000Cのクリープでは、クリープ速度が増加する。この効果は1000C低応力側では小さくなる。熱時効で形成した結晶粒界上の炭化物は、ボイドやクラックの形状、成長を抑え、クリープ破断ひずみを増加させる。
倉田 有司; 中島 甫
JAERI-M 94-022, 28 Pages, 1994/02
20%冷間加工及び固溶化熱処理を行なったハステロイXRそれぞれについて、800、900及び1000Cでクリープ試験を行った。得られた結果は以下のとおりである。(1)20%冷間加工材のクリープ破断時間は、固溶化熱処理材に比べ、800Cでは長くなり、900Cではほぼ同程度、1000Cでは逆に短くなる。(2)破断延性は20%冷間加工材の方が低くなる。20%冷間加工材についてこの値は900Cで最も低くなる。(3)固溶化熱処理材及び20%冷間加工材ともに高温では非古典的なクリープ曲線が観察された。(4)800及び900Cでは20%冷間加工材の最小クリープ速度(Em)は固溶化熱処理材の1/20~1/50となるが、1000Cでは逆に20%冷間加工材のEmは固溶化熱処理材の2倍程度に上昇する。(5)20%の冷間加工は、800及び900Cではクリープ変形に対する大きな抵抗となるが、1000Cではクリープ強度の著しい劣化をもたらす。
倉田 有司; 小川 豊; 中島 甫
Trans.Iron Steel Inst.Jpn., 27, P. 81, 1987/00
高温ガス炉1次冷却系には微量のH,CO,CO,CH,HO等が含まれ、それらの不純物が酸化、浸炭あるいは脱炭のような腐食現象を引起す。この研究では、高温ガス炉用耐熱合金であるハステロイXR,XR-IIに対して、ヘリウム中微量不純物の量を変えたHe-1,-2,-3,-4の雰囲気中でクリープ試験を行い、特にクリープ強度に著しい影響を及ぼす脱炭の効果について調べた。He-1は従来より用いてきた高温ガス炉1次冷却系を近似した材料試験用ヘリウム(原研B型ヘリウム)とし、He-2、-3、-4では不純物組成を変えることによってヘリウム雰囲気の炭素活量、酸素分圧を変え脱炭性雰囲気とした。クリープ破断時間は脱炭の起こったHe-3で著しく低下し、He-3では早期より急速な加速クリープが起こるクリープ曲線を呈した。